川口盛之助 @ DENTSU JAPAN Studies 識者と電通総研メンバーが 考える「新・日本力」

川口盛之助 @ DENTSU
JAPAN Studies
識者と電通総研メンバーが
考える「新・日本力」
日本の看板は2枚ある

日本の看板は2枚ある
川口盛之助氏
株式会社盛之助社長/未来学者

日本の形が次世代モードへと大変身を遂げつつある。年々悪化する貿易赤字を補うように、サービス収支(観光収入)と所得収支(海外子会社からの配当)が増えているのだ。モノづくり系の競合国ドイツや韓国を見ても、彼らはいまだに輸出で賄う構造のままだ。円高とデフレ不況の中をもがくうちに、わが国はオフショア化とサービス化を全速力で進めていたのだ。
製造業のみならずサービス産業の海外展開が著しい。学習塾や音楽教室などの早期教育から、宅配便やセキュリティーなど巡回ビジネス、ヘアカット専門店に高級老人ホーム、スーパー銭湯などなど、鍛え抜かれた接客サービスが世界に出張っている。
日本の看板とは、奥で寡黙に作り込む職人魂だけではなく、おかみのおもてなし精神でもあったことにあらためて気付かされる。女性活用では途上国の日本だが、おかみに日を当てることで職人の活躍の場もよみがえるだろう。国内外の政府機関からの招聘(しょうへい)を受け、研究開発戦略や商品開発戦略のコンサルティング活動を行う中で感じることだ。
川口盛之助氏
Morinosuke Kawaguchi in suit