川口盛之助氏 @ 中計塾2015 第1回 11月17日13:00~18:20
日本未来図。
社会の変化が及ぼす各産業の未来像
過去と現在を結ぶ線の延長上にある近未来像を想定し、それをベースに中長期の経営計画や事業戦略を策定する。こうした従来の中期経営計画の立案手法が、ほとんど役に立たなくなってきました。 新興国の急成長とグローバル化、世界の人口爆発と国内で急速に進む少子・高齢化、生命工学、人工知能、自動運転など革新技術の実用化といった大規模かつ劇的な変化が、連鎖しながらあらゆる産業界に「不連続な変化」をもたらしています。巨大企業といえども「10年後も安泰」とは言えなくなりました。未来に起こる産業や社会の構造転換を見通し、「事業の集中と選択」や「創造的破壊」を課すことが、規模や業態を問わず、あらゆる企業に求められているのです。
こうした状況下、いかにして未来を予測し、それを事業戦略に盛り込み、中期経営計画を策定すべきか。その答えを見つけるための場が『中計塾』です。どの事業・産業領域に乗り出すべきか、事業構造改革をいかに進めるか、中計を実践するための組織をいかに作るか、戦略を正しく反映するに経営計画はどうあるべきかなど、多角的なテーマ・切り口で「10年後に生き残るための中長期戦略立案」の思考法やノウハウをご提供します。
第1回 11月17日 火 13:00〜18:20
Section 1
川口盛之助 氏
日本未来図。
社会の変化が及ぼす各産業の未来像
講師 : 川口盛之助 氏
盛之助 代表取締役社長
決してそうはならない未来を信じ、それを元に企業戦略や事業プランを立てることほど滑稽なことはありません。そうなりたくないのであれば、「当たらない」未来予測をしないことが大切です。これからは国家、産業、企業、個人を問わず既存の枠組みが崩れ、新しい社会が生まれていくことが自明である以上、先をいかに見通していくかがとても大切になっています。これから企業の成長を考える際に大前提として盛り込まねばならない「確かな未来」を形づくるメガトレンドは多岐にわたります。今回は、その中でも、産業構造と労働環境の変化を踏まえて、
・素形材~中間財(成形品~部品~工具類)
・耐久消費財(摺り合わせ系~感性機能系)
・材料(汎用材~機能材~感性素材)
・食材(バイオ技術、農水産業、和食)
・ニアフィールドサービス(小売、宅配からインバウンド観光など)
・ソフト(コンテンツ、音楽、ファッション、食文化)
・インフラ(交通、石油、建設、発電、工業、上下水)
・生産財(ロボット~3Dプリンター~工具)
の各分野の未来像を探ります。
また、日本の強みの視点から日本らしさを生かしたモノ、コト作りについて解説します。
Profile:慶應義塾大学工学部卒、イリノイ大学修士課程修了。 技術とイノベーションの育成に関するエキスパート。技術開発戦略を文化的背景と体系的に紐付けたユニークな方法論を展開する。代表的著作「オタクで女の子な国のモノづくり」は、「日経BP・BizTech図書賞」を受賞し、英語、韓国語、中国語、タイ語にも翻訳される。戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルにおいて、アソシエート・ディレクターを務めた後に㈱盛之助を設立。国内のみならずアジア各国の政府機関からの招聘を受け各種コンサルティングを行う。日経BP未来研究所アドバイザーを務め、近著「メガトレンド」では、独自の方法論から導き出す精緻で広範な未来予測分析を行い、産学官の各界で高い評価を受ける。同書の世界観をベースにした文科省の将来社会ビジョン策定プロジェクトや、自由民主党の「国家戦略本部」におけるビジョン策定などにも携わる。